微量ミネラル

 私たちの身体を構成している主な元素は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)・窒素(N)の4元素でこれが96.6%を占めます。そしてこの4つの元素は水と空気に由来し燃焼されるともとの空気と水に帰ります。

次にカルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)・カリウム(K)・ナトリウム(Na)・硫黄(S)・リン(P)・塩素(Cl)の7元素が準主要元素と呼ばれ3~4%を占めます。この7元素は土と海から由来するもので燃焼されると土に帰ります。

残りは鉄(Fe)・亜鉛(Zn)・銅(Cu)・マンガン(Mn)・モリブデン(Mo)・セレン(Se)・コバルト(Co)・クロム(Cr)・ヨウ素(I)・ニッケル(Ni)・フッ素(F)・バナジウム(V)・錫(Sn)・ケイ素(Si)の14元素で微量ミネラルと呼ばれ0.02%を占めます。この14元素も土や海に由来するもので燃焼されると土に帰ります。

 私たちの身体は、空気と水で96.6%、残り4%足らずが土でできているのですね。

鉄(Fe)

◆その1・・・・・・鉄は酸素の運び屋さん

 私たちの生活に馴染みの深い鉄。血液の赤血球に含まれているヘモグロビンという血色素がありますが、これが酸素を運ぶ細胞でその中核にあるのが鉄の原子です。

鉄は酸素に触れるとすぐ錆びますね。鉄は酸素を見つけるとすぐくっつこうとする性質を持っているのです。生物の多くはこの性質を利用して酸素を取り込んでいます。

 

◆その2・・・・・・鉄分が不足すると

 鉄が不足すると、動悸が激しくなったり、立ちくらみ、朝の寝起きが悪い、疲れやすい、顔色が悪い、集中力がなくなるなどの症状が現れやすくなります。

昔はご飯を炊いたり、味噌汁を作るのもお茶を沸かすのもみんな鉄の釜や鍋や鉄びんなどの鉄器がほとんどでした。包丁も鉄でした。日常生活の中で自然に鉄を 補給していたのですね。現代生活は、ホーローやアルミ・ステンレスなどの鍋や器、包丁などが主流で鉄を見かけなくなりました。その分鉄を補給する機会が失 われています。

 

◆その3・・・・・・マラソンと鉄

 熊本の体力研究所が熊本と宮崎の女性マラソンランナーを対象に6年間かけ調査したそうです。彼女たちの平均体重は約50kgで血清鉄は平均3.6gでした。

ところが宮崎のランナーが1万メートルで世界記録に準じる好記録を出したとき、血清鉄はなんと5.5gだったそうです。つまり酸素の供給量がものすごく増えていたということです。 反対に体調をくずして走れなくなったときの血清鉄の量はなんと2.2g。

鉄が大切な働きをしていることがよく分かりますね。

 

◆その4・・・・・・鉄が多く含まれる食品

 乾燥青のり、乾燥ひじき、きくらげ、番茶、煮干いわし


銅(Cu)

◆その1・・・・・・銅は血管を柔らかくする

 血管の裏側にはエラスチンという柔らかい弾性組織が整然と配列しています。血管がゴムのように柔らかく身体の動きや血流にしなやかに対応できるのはこの弾性組織のおかげです。 銅のイオンが不足するとこのエラスチンが正常に働かなくなってしまいます。

 

◆その2・・・・・・動脈硬化を防ぐ

 心筋梗塞や脳梗塞は、血管にコレステロールなどの血栓ができて詰まりそこから先に血が通わなくなり組織が死んでしまう症状です。脳にできたのが脳梗塞、心 臓にできたのが心筋梗塞です。 銅を十分にとってエラスチンが健全にできていれば血栓も起こりにくくなります。 動脈が硬化しないように弾力を保つように することが大切です。

もちろん血液をさらさらの状態を維持できればなお万全です。

 

◆その3・・・・・・造血には銅も必要

造血のために鉄ばかり与えても血は増えません。同時に銅が必要となります。

造血には鉄が10に対して銅が1の割合で必要です。

 

 

◆その4・・・・・・銅を食べる

  ヨーロッパでよく料理の付け合わせで食べられているピクルスというキュウリの酢漬け。なぜ青いかといいますとキュウリと一緒に銅のコインも漬けてあるからだそうです。

 日本では昔、銅壺という銅でできた湯沸かし器があり、これで沸かしたお湯でお茶を入れていたそうです。

 ヨーロッパでも日本でも先人の知恵で、銅のミネラルが必要なことを理解して生活に取り入れていたのでしょうか。感服します。

 我が家では銅のドリップポットを使いお湯を沸かしています。

 

◆その5・・・・・・銅が多く含まれる食品

 カキ、梅、大豆油、ごま、アーモンド


亜鉛(Zn)

◆その1・・・・・・すべすべ肌の秘密

 亜鉛は皮膚に多く含まれています。肌の表面は角質層という表皮細胞が角質化して集まっているところです。角質層は毎日垢となってはがれて新しい細胞と入れ替わっていますが、全部入れ替わる期間(一つの表皮細胞が生まれて死ぬまでの一生)はだいたい28日とされています。

 

赤ちゃんは、どんどん新陳代謝を繰り返し成長しています。赤ちゃんの肌は28日よりも短い期間で全部入れ替わるのでいつもすべすべ肌です。

肌ばかりでなく内臓も筋肉も骨もみんな細胞単位で新陳代謝しています。 この新陳代謝に欠かせないのが亜鉛の酵素です。

 

◆その2・・・・・・赤ちゃんに亜鉛を

  亜鉛が不足すると抗体の作り方が悪くなります。赤ちゃんはお母さんのおなかにいるときは羊水に包まれているので外界の病原菌とは隔てられていますが、いったん生まれると大至急免疫機能を持つ必要があります。そのためお母さんの初乳には普段の20倍もの亜鉛がたっぷり入っています。赤ちゃんはこの初乳を 飲んで一気に免疫を高めるのです。初乳はとても大切なのです。ところが最近、初乳が出なくなっているお母さんが多くなっているそうです。 赤ちゃんの健康はおっぱいから!!

 

◆その3・・・・・・亜鉛が多く含まれる食品

 カキ(貝)、ユバ、小豆、牛肝臓、豚肉、パセリ、ショウガ


マンガン (Mn)

◆その1・・・・・・愛情の塩

 北海道にはたくさんの乳牛がいますが、マンガンが不足した牛は子牛をかわいがりません。 母牛が子牛を圧死させたりすることもあります。

マンガン不足で受胎率が下がった雌牛は、決まったように搾乳を嫌がります。

マンガン不足の土地で作物を作って食べていれば、人間もマンガンが欠乏し女性は性的な触れ合いを嫌がるようになります。 また赤ちゃんがかわいく感じられない、泣いてうるさいとぶってしまう、あるいは無性に叩きたくなる、このような症状を引き起こします。

 

◆その2・・・・・・マンガンが多く含まれる食品

 キクラゲ(乾燥)、パセリ、浅草ノリ、ごま